一部のETC車載器が2022年の12月から使えなくなることは知っていましたか。
ETCカードは高速道路を利用する方にとってはなくてはならないもの。
使えなくなればETCレーンは開きませんし、急ブレーキを踏み込めば後続車に追突され、大事故に繋がってしまう可能性もあります。
ETCカードが使えなくなる日に備えて、2022年12月1日以降も利用できる方法や各メーカーの利用状況について見ていきましょう。
目次
ETC2.0とは?古いETC車載器が使えなくなる?を徹底解説
2012年12月1日から利用できなくなるのは一部のETC車載器(2009年以前の技術認定を受けた機種)です。
2030年までには多くの車載器が利用できなくなると言われています。
まずは一部の車載器が使えなくなる2022年に備えて、ご自身がお使いの車載器が使えるのかを確認しておきましょう。
2022年までに一部のETC車載器が使えなくなる事実
ETCカードの車載器が使えなくなるというきっかけは、世界無線会議において通信規制が改正されたことにあります。
ETC車載器は無線通信を利用し通行車両の収受を行うシステムで、料金は各国によって異なりますが世界中で同じ料金収受システムを構築しています。
しかしこの料金収受システムの中にある、「スブリアス」という不必要な電波が発信されていることが電波障害の原因となるため、通信規制が行われるようになりました。
私達が当たり前のように利用しているETC車載器の料金収受システムは、電波障害の元になっていたのです。
ETC2.0とは?従来機と何が違うのか
2009年以前の車載器が利用できなくなることで、注目を集めているカードがETC2.0。
ETC2.0とは従来のETCカードをバージョンアップしたもので、自動料金システムはもちろんのこと、
・圏央道の料金が2割引きになる
・渋滞緩和に貢献すると割引サービスが適用される
・周辺の観光スポット情報や道路状況を把握できる
・ITSスポットでの渋滞回避支援や安全運転支援などの恩恵を受けられる
これらの4つのサービスを利用できるようになります。
渋滞緩和や圏央道の利用料金が安くなることは嬉しいことですよね。
首都園で高速道路を頻繁に利用する方にとっては、大きなメリットになるのではないでしょうか。周辺の観光スポットや道路情報を瞬時に把握できることも、運転のサポートになります。
お使いのETC車載器が新規格として対応しているかを判断する4つの方法
使用中のETC車載器が新規格として対応しているかを判断するためには
・メーカーのホームページを確認する
・セットアップ申し込みから判断する
・車載器の本体裏面を確認する
・識別マークから判断する
上記の4つの方法があります。
それぞれの方法について詳しく解説します。
メーカーやホームページを確認してみる
ETC車載器の外観や車載器管理番号を確認しても、新規格として利用できるのか判別できません。
判別できない場合は、メーカーに問い合わせるかホームページから確認しましょう。車載器には型式ごとにスプリアス規格が決まっています。
メーカーやホームページを確認してみることで、新規格に対応しているのかを確認することができます。
【デンソー車載器の例】
・型式 DIU-3102(型式登録番号 0209 / 2001年4月~2004年4月製造品)
・型式 DIU-3104(型式登録番号 0211 / 2001年6月製造品)
セットアップ申し込みから判断する
ETC車載器を購入した際には車載器管理番号を取り付けてもらい、「ETC車載器セットアップ申込書」というA4サイズの用紙を購入した店舗から受け取ります。
このETC車載器セットアップ申込書を確認すれば、今お使いの車載器が新規格に対応しているのかを確認することが可能。
ETC車載器セットアップ申込書がない場合でも、車載器に取り付けてもらった19桁の車載器管理番号のシールを確認してみましょう。
車載器が新規格に対応している場合は「1」から数字が始まり、旧規格で利用できなくなる場合には「0」から始まる数字が記載されています。
・「1」から始まっている→新規格対応
・「0」から始まっている→旧規格
車載器管理番号がついていない場合は、取り扱い説明書にシールが貼ってある可能性があります。
それでも見つからない場合には、セットアップしてもらった店舗に問い合わせてみましょう。
ETC車載器の本体裏面を確認する
ETC車載器の本体裏面に記載されている車載器管理番号からも、新規格に対応しているのかを確認することができます。
車のダッシュボード付近に車載器が両面テープで取り付けてある場合でも、車載器を力強く剥がして確認してみてください。
識別マークから判別すること
ETC車載器は規格に対応したマークが描かれており、識別マークからも判別することができます。新セキュリティに対応している商品を見分けるポイントは、
・カード挿入付近に「●●●」のマークが記載されているか?
・ETC2.0のロゴがあるか
・挿入口付近に「■」のマークがない
の3つのポイントがあります。
旧セキュリティに対応した車載器の見分け方にも、
・「DSRC」の文字が書かれている(DSRCとはETC2.0が世に出る前のサービス名のこと)
・ETC2.0のロゴが描かれているが、「■」のマークが印字されている場合
の2つです。
新規格に対応した車載器と旧規格に対応した車載器の見分け方を理解して、現在試用中のETC車載器はどうなのか確認しておきましょう。
各メーカーごとの新旧製品ETC車載器の見分け方
各メーカーごとの新旧製品の見分け方の紹介です。今使っているメーカーが新旧製品に対応しているのか、確認することができます。
すべての車載器が新規格に対応しているメーカー
・三菱電機
・パナソニック
・HONDA
・JRC日本無線
上記4メーカーの車載器は、全ての商品が新スプリアス規格に対応しています。
2022年以降も心配することなく安心してETC車載器を利用可能です。
古野電気
古野電機の車載器は、一部の商品が旧規格に対応しています。お使いの車載器が新規格に対応しているのかを確認したい場合は、ホームページから確認しましょう。
また、新スプリアス規格に対応していない一部の車載器に関しても、新規格としてご利用できるように、古野電気が関係機関に申込を行なっている最中です。
車載器を買い換えるのはもう少し待ってからにしましょう。
DENSO
DENSOのETC車載器の中で2022年以降も利用できない商品は以下の2つの型式です。
・型式 DIU-3102(型式登録番号 0209 / 2001年4月~2004年4月製造品)
・型式 DIU-3104(型式登録番号 0211 / 2001年6月製造品)
上記2つの型式が記載してある車載器をお使いの方は、新規格に対応している車載器に買い換える必要があります。
DENSOの車載器をお使いの方は現在使っている車載器の型式はどうなのか、確認しておきましょう。
ETC2.0と古いETC車載器のまとめ
ETC2.0と、新規格対応ETC車載器の見分け方を詳しく解説してきました。
・2022年以降に一部のETC車載器が使えなくなる
・元々は世界無線会議(WRC)において通信規制が改正されたことがきっかけ
・ETC2.0は使って損なし
・今使っているETC車載器が新規格に対応しているかの判別方法は様々
・各メーカーごとに対応しているのか確認しておくことが重要
2022年以降に一部のETC車載器が利用できなくなることは、まだあまり知られていません。
ETC車載器が使えなくなる事実を知らずに、ETCゲートに進入すれば後方車と大事故になってしまう可能性も。
利用中のETC車載器が2022年以降も利用可能なのか、確認して備えておきましょう。