「新車を安く買いたい」
車の購入を考えるときに誰もが思う事ではないでしょうか。
安い買い物ではないので、少しでも出費を抑えたい方が多いと思います。
また、世間の値引き相場と比べて、高く売りつけられているのではないか?
そんな不安がある方も今まで見てきましたが、値引き額は本当に営業マンの「さじ加減」一つで大きく変わります。
では、どうすれば新車を安く購入する事が出来るのか。
私の実際の経験の中から、オススメしたい商談方法から、値引きを引き出す方法、さらなる限界値引きが狙えるタイミングなども合わせてご紹介していきます。
なお、この記事の内容を、露骨に営業マンに伝えると、「同業者」かと警戒されてしまう可能性がありますので、ご自身の中に留めておいて下さいね。
目次
元営業マンがおススメする商談方法
カーディーラーの営業職として11年間、年間100件を超える商談件数の中でたくさんのお客様と、様々なお話をさせていただきました。
その中でも、私が良いお客様と思える方は、私を車のプロとして認め、頼っていただける方でした。
そういうお客様には、さらに喜んでもらうために、進んで値引きやサービスをさせていただきました。
そこで、私が営業マンとしてオススメしたい、良いお客様になれるポイントを紹介します。
乗り換えの相談をしっかりすること
当たり前のことなのですが、営業マンは車を検討されているお客様に対して接客応対をして、最終的には「自分のお客様」になってもらう事が目的です。
ここで勘違いしてはいけないのが、新車を契約する事がゴールではないという所です。
なので、まず販売店で商談を開始する時には、あなたの車に対する要望を伝えたり、車選びで悩んでいることを相談することから始めましょう。
そうすることで、「このお客様は、真剣に車の購入を検討されているんだ」と営業マンに思ってもらう事が出来ます。
すると、営業マンも冷やかしではないという事が分かりますし、自然とあなたのいう事に耳を傾ける事になるでしょう。
今まで乗ってきた車。
家族構成。
これからの車の用途。
趣味。
車のボディカラーの好み。
欲しいオプション。
予算。
などなど、営業マンは聞きたい事がたくさんあります。
上記のような項目を話していくうちにあなたと営業マンの距離は自然と近づいていきますので、ぜひ試してみて下さい。
値引きを強要しない
「たくさん値引きをして欲しい」
営業マンは、お客様がそのように思っている事を、既に分かっています。
なので、あまり「値引き」だけにこだわってしつこく言ってくるお客様に対して、正直良い印象はありません。
そう言ったお客様は、今回は新車を購入されたとしても、次回の検討の際にも同じように迫られますし、新車の購入だけでなく、車検などのメンテナンスなどでも色々と口うるさく言われるのではないかと警戒してしまいます。
営業マンのお客様は、あなた一人ではありません。
一人で400〜500件のお客様は平均的に保有していますし、人気のある営業マンなら1000件は超えているでしょう。
本当にたくさんのお客様をフォローしないといけませんので、正直に申し上げると、手間のかかるお客様は、営業マンとしてもお断りしたいというのが本音かと思います。
少なくとも私はそうでしたし、同僚もそうでした。
「値引き」というフレーズを口にするのではなく、ご自身の予算にあと少し合わないなどの言葉に置き換えて、話の中で自然と伝えられると良いと思いますよ。
商談を長引かせない事
車の購入は、ほとんどの人が人生で何十回とあるものではないと思います。
金額も高額ですし、購入すれば数年間。
人によっては10年以上乗られる方もいますよね?
それだけに慎重になる気持ちは十分に分かります。
スーパーで日用品を購入するのとは違いますよね。
しかし、商談の際に、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と時間をかける方がおられますが、そうなってくると慎重に選んでいるというよりは、あまりよく検討されていないのではと思ってしまいます。
また、値引きの条件なども、月毎に変わったり、下取り価格だって相場が変動していきますので、営業マンとしては、値引きの具体的な数字の提示が出来なくなります。
もしも仮に、5月に「30万円値引き出来ます」と聞いていて、検討している間に8月になり、「今の時期は20万円の値引きになります」と言われたら、あなたなら購入しますか?
値引きが増えて、支払額が安くなる事に関しては前向きに検討される方が多いのですが、その逆で、支払額が増える事に関しては、購入自体をやめてしまう方がほとんどです。
そうなると、今の古い車をまた乗り続けられるというパターンになりがちですので、営業マンとしても、長引きそうな商談に対してま、前向きに「値引き」を提示したがりません。
いつ頃に車が欲しい。
車検までに納車して欲しい。
そういった、先の見通しが利く商談に対しては、非常に前向きになりますので、あなた自身の中にも区切りをつける意味でもとても有効な商談方法です。
元営業マンが明かす、限界値引きを引き出す方法
それでは、相場の値引き額よりさらに限界値引きを引き出して、新車が購入できるような方法を、私からご紹介させていただきます。
自分でも値引きの相場を調べておく
ある日、新車の商談であなたに提示された値引き額。
その値引き額が妥当かどうか、どうやって判断されますか?
限界の値引きを引き出す前に、まずは商談する車の値引き金額の相場を知っておく方が良いと思います。
オススメの方法は至って簡単で、インターネットの検索エンジンで「車の名前」、「値引き額」を入れて検索してみましょう。
値引きの口コミサイトで、簡単にどれくらいの値引きをされているか見る事が出来ます。
もしくは、車雑誌などでも、特集で掲載されている事がありますので参考にご覧になってもいいかもしれません。
中には、もの凄く大きな値引き金額もありますが、そういった数字はかなりイレギュラーなケースなので、検討材料から省いた方がいいでしょう。
そうやってある程度の相場を理解している事で、低い値引き金額で知らずに契約してしまうリスクが減るはずです。
全ての販売店、営業マンがそうだとは言いませんが、かなり値引きを抑えて販売されるケースも普通にありますので、あなた自身の中にも値引き額の判断基準を作っておきましょう。
値引き金額の相場を参考にお伝えします。
150万円前後の小型車でしたら、10万円から20万円。
250万円から350万円の中型量産車(ミニバン含む)でしたら、20万円から40万円。
500万円以上のミドルクラス以上の高級車クラスになってくると、2〜3万円しか値引きをしない強気なブランドもあれば、50万円以上引いてくれるような車両もありますのでマチマチです。
軽自動車は、ほとんどの車が、10万円までといったところでしょうか。
また、新型車両などは発表から約半年くらい、あまり値引きをしない傾向がありますので、上記値引き金額の半額以下になる可能性も十分にあります。
競合他社と比較する
営業マンにとってはあまり嬉しい事ではありませんが、車を検討する場合に競合他社にも同時に商談をして値引き条件などを聞いておくと、相場の値引きよりも良い条件が得られる事が多いです。
特に、ミニバンなどのライバルがたくさんあるクラスになると、メーカー問わず様々な車で競合させる事が出来ます。
また、最近では、一つの車が複数の販売店で取り扱われているケースも増えてきましたので、単純に値引きの競合をさせやすいと思います。
ただし、競合させる際に「他が値引きをするから、もっと値引きをしてくれ」と頼んではいけません。
他にも検討している販売店がある事を伝えるだけで、営業マンにはしっかりとインパクトに残ります。
営業マンの方から競合他社の値引き条件を聞いてくるはずですので、あなた自身の印象のことも考えると、あまり自分から競合させて煽らない方がいいでしょう。
おだて上手になる
商談も終盤に差し掛かり、もう一歩値引きが欲しい場合のダメ押し方法もご紹介しておきます。
これは、先のほどの競合他社との合わせ技になるかも知れませんが。
例えば、こんな商談はどうでしょうか?
あなた「他のディーラーはコレくらい値引きをしてくれるんだよ?それ以上値引きしてくれるなら考えてもいいけど?」
と言われるよりも、
あなた「他のディーラーの営業マンに、もの凄く営業をかけられていて、値引きも凄いんだけど、出来れば良く相談に乗ってくれて頼りになる〇〇さん(商談している営業マンの名前)にお世話になりたいんです。予算さえ合えば是非お願いしたいのですが・・・。」
と言われる方が、営業マンとしてどうでしょうか?
後者の方が、多少値引きをしても応えたくなりますよね。
また、後者の方が、これからのお付き合いが良好になることをを予感させてくれて、新車の購入時に多少無理をしてあげてもいいかな?
と、営業マンの心理的には受け入れやすくなります。
競合が無い場合にも、自分の予算にもう少しで届くことを伝えて、営業マンを頼りにしていることと、その営業マンから購入したいというストレートなフレーズが効果的です。
少しでも値引きをして欲しいというキモチが先走らないように、あなたが営業マンの心をつかむ事が出来れば、より沢山の値引きと、今後の手厚いフォローも期待できますよ。
限界値引きが出やすいタイミング
新車を購入するタイミングによって、より多くの値引きができるかどうかが決まるといっても過言ではありません。
私がオススメするお得なタイミングも併せてご紹介しておきますね。
年度末や上半期の末
「決算セール」って言葉は聞いたことありますよね?
カーディーラーの販売会社にも、もちろん決算時期があります。
会社によって、決算時期は多少違うものの、多くの販売会社が3月末が年度の締めになっていて、決算月と呼ばれます。
また、上半期の決算期もかなり重要で、カーディーラーにとっては、自動車メーカー本体からの成績評価をされる大切な時期にもなりますので、販売にもかなり力が入っています。
肝心なのは、決算月に新車を「契約」(注文書にサインをしてハンコを押す)ではありません。
「新車の登録」(購入した車の車検証完成までの手続きが完了すること、納車までは必要では無い)が重要なのです。
なぜなら、「成績=登録台数」というカウント方式になっているからです。
なので、営業スタッフとしても、決算月までに登録が間に合わない車両に関しては、値引きが渋くなる傾向にありますね。
余裕があれば、新車の契約→工場で生産→車検証の登録処理までが完了する期間までを見込んで商談を進めると、営業マンとしても値引きを多少頑張ってくれます。
ちなみに、一般的な車の登録までの期間は、約1ヶ月。
人気のある車になると、3ヶ月や、特別長いもので半年待ちくらいになります。
各メーカーのホームページの「納期照会」というページでも、各車両の納期がわかりますので、確認しましょう。
月末の土日祝日
営業マンの辛いところは、月が変わる毎に営業成績がリセットされて、月末になって目標達成出来ていない場合に、それなりのストレスがあるところです。
そんな時の、契約の一台というのは大変ありがたいもので、成績不振が続いている状態なら尚更のこと、喉から手が出るくらい注文書にサインが欲しいのです。
なので、月内に一度か二度の商談を済ませておいて、月末の週末などに最終判断の商談をスケジュールすると、かなりの確率で値引きが多くなります。
もちろん、成績に困っている営業マンばかりでは無いので、安くなるばかりではありません。
私も、月内の成績が十分にある時には、翌月に実績を繰り越したかったので、お客様にそのようにお伝えして、翌月に契約していただくこともありました。
そういう場合もありますが、安くなる事はあっても高くなる事はありませんので、タイミングが合えば試してみてはいかがでしょうか。
新型車へのモデルチェンジ前
車にも家電やスマホと同じで、どんどんと新しい最新のモデルが出ます。
しかし、家電やスマホのように、半年や一年に一回のようなハイペースでは出ません。
約3年に一度くらい、最近では5年に一回程度の周期で新型が出るようになっています。
その時期になると、新型発表の3ヶ月前くらいから、旧型の生産をしなくなります。
発表までの時期を、生産終了までに製造した在庫車両で販売を続けるのですが、この在庫車両が、普段の値引きよりも大幅に値引きされて叩き売りされるケースが多いです。
自動車メーカーが、ある程度強制的にカーディーラーに購入させてくるため、在庫を抱えさせられたはカーディーラーは大変です。
なので、大幅な値引きをして、多少利益が少なくても売りさばいてしまいたいのです。
ネットなどの車の新型車情報などをチェックして、今あなたが欲しい車や似たようなクラスの車にモデルチェンジ情報があれば検討してみる価値はあると思います。
ただし、安さを優先して、自分の欲しかった車と全然違う車を購入して、後悔することだけはしないように、気をつけましょうね。
値引きと下取り価格の意外な関係
「値引き額」と「下取り価格」、見積もりや注文書には違う欄に書かれていて、それぞれ独立したもののように見えます。
しかし、営業マンや販売店の判断の中では、値引き額を多くした代わりに下取り価格を抑えたり、下取り価格を多くした代わりに値引き額を抑える。
なんてことは日常茶飯事です。
なので、以下のポイントもチェックしておくことをオススメします。
下取りが妥当な金額かチェックしてみること
下取り価格というのは、販売店が自由に決めることが出来る金額です。
そして、値引き金額も販売店が自由に決めることが出来る金額ですので、販売店の利益を考える中で、トータルして調整することが出来る項目になります。
あなたが「沢山値引きしてもらってラッキー!」と思っていたら、実は下取り金額が相場よりも低かった。
なんて事も有り得るという事です。
商売の世界ですから当たり前といえば当たり前なのですが、あまり良い気分では無いですよね?
そうならないためにも、下取り金額が妥当かどうかも、あらかじめチェックをしておくことをオススメします。
方法は簡単で、インターネットで車の査定の見積もりを依頼することができます。
ぜひ一度試してみましょう。