目次
ろうきんマイカーローンのスペック
労働者の出資金で成り立っているろうきんには、自動車購入に利用することができるマイカーローンが用意されています。
ろうきんのマイカーローンは、労働者の形態によって金利が異なるという特徴があり、どんな人でもある程度の低い金利でお金を借りることができます。
ろうきんマイカーローンのスペックについて解説していきます。
ろうきんとは?銀行との違い
ろうきんとは、労働組合や生活協同組合などの労働者団体が相互扶助のために資金を出し合って作っている互助組織です。
労働金庫法に基づいて業務運営がなされており、ろうきんと取引をするためには最低出資金1,000円を支払って会員になる必要があります。
現在、労働組合などの労働団体に加盟していない人でも出資金1,000円を支払うことで個人会員になることが可能です。
不特定多数の人から多額の預金を集めて不特定多数に融資で運用する銀行とは異なり、労働者から集めたお金を労働者に融資する非営利の組織です。
信用金庫と同じような組織形態ですが、あくまでも労働者個人への扶助を目的としていることから、事業資金融資は行なっていません。
また、非営利団体であることから、全体的にローンの金利が低いという特徴があります。
商品基準はろうきんによって異なる
日本には13の労働金庫があり、それぞれ管轄する都道府県が以下のように異なります。
労働金庫 | 管轄都道府県 |
北海道労働金庫 | 北海道 |
東北労働金庫 | 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島 |
中央労働金庫 | 茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨 |
新潟県労働金庫 | 新潟 |
長野県労働金庫 | 長野 |
静岡県労働金庫 | 静岡 |
北陸労働金庫 | 富山、石川、福井 |
東海労働金庫 | 岐阜、愛知、三重 |
近畿労働金庫 | 滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山 |
中国労働金庫 | 鳥取、島根、岡山、広島、山口 |
四国労働金庫 | 徳島、香川、愛媛、高知 |
九州労働金庫 | 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島 |
沖縄県労働金庫 | 沖縄 |
都道府県によって管轄する労働金庫が異なり、ろうきんごとにマイカーローンや住宅ローンなどの商品内容は大きく異なります。
実際に借入を検討する場合には、お住まいの都道府県を管轄するろうきんに問い合わせを行なってください。
なお、今回は、中央ろうきんのマイカーローンについて解説していきます。
スペック表
商品名 | カーライフローン |
申込条件 | 中央労働金庫の事業エリア内の給与所得者
申込時の年齢が満 18 歳以上で、完済時年齢満 76 歳未満の方 勤続年数1年以上(自営業者は3年以上) 前年度年収150万円以上の安定した収入のある人 |
金利 | 2.4%~3.9% |
融資金額 | 〜1,000万円 |
返済期間 | 〜10年 |
保証会社 | 日本労働者信用基金協会 |
金利は組合員か否かによって異なる
金利は審査ではなく自分の勤務先が、労働組合会員か、生協会員か、もしくは組合や生協に加盟しておらず一般会員かによって金利が以下のように異なります。
金利 | |
団体会員の構成員 | 変動:2.4%
固定:2.9% |
生協会員の組合員
および同一生計家族 |
変動:2.6%
固定:3.1% |
一般の勤労者 | 変動:3.675%
固定:3.9% |
労働組合会員の企業に勤務されている方や、国家公務員・地方公務員などの方は最優遇の金利で借りることができます。
一方、一般の労働者の方も4%を切る金利で借りることができますし、自営業者も「一般の勤労者」の枠で借入をすることが可能です。
ろうきんマイカーローン6つの特徴
ろうきんマイカーローンには以下6つの特徴があります。
18歳から利用できる
組合員なら金利が下がる
変動金利と固定金利を選択できる
資金使途の幅が広い
繰り上げ返済手数料が無料
契約には来店が必要
他の金融機関のマイカーローンと比較して異なる特徴をいくつも持っているローンですので詳しく理解しておきましょう。
18歳から利用できる
ろうきんマイカーローンは18歳から利用することができます。
ここが、ろうきんマイカーローン最大の特徴でポイントと言えるかもしれません。
ほとんどのローンは20歳からしか利用することができません。
未成年単独での法律行為は取り消すことができるため、未成年者に融資をしても後から取り消されてしまうリスクがあるからです。
しかし、ろうきんは労働者のための金融機関ですので、中卒・高卒の労働者である18歳、19歳に対しても融資を行なっています。
未成年者に対して融資を行う金融機関は筆者が知っているだけでは、ろうきんだけです。
18歳、19歳の人が自動車を購入する場合には、ろうきんマイカーローンは強い味方となるでしょう。
組合員なら金利が下がる
労働組合構成員や、生活協同組合構成員の人は優遇された金利でお金を借りることができます。
あくまでも労働者団体の互助組織ですので、組合構成員の相互扶助のために低金利で融資を受けることができるのです。
団体会員の構成員であれば、住信SBIネット銀行などのネット銀行並みの低金利でマイカーローンを借りることができます。
変動金利と固定金利を選択できる
ろうきんマイカーローンの特徴として変動金利と固定金利を選択することができるという点も挙げることができます。
金利の上昇を懸念するという人は固定金利を選択することができますし、「できる限り低金利で借りたい」という人は変動金利の選択が可能です。
マイカーローンでありながら、住宅ローンのように金利タイプを選択することができるのは、ろうきんマイカーローンの特徴です。
資金使途の幅が広い
ろうきんマイカーローンは資金使途の幅が広いという特徴があります。
自動車関連だけでなく、マリンスポーツや自転車に関する資金も借りることができます。
自動車 | 新車や中古車やバイクの購入費用、保険代、車検代、自動車やバイク修理費用、車庫の建設、免許取得費用 |
マリンスポーツ | クルーザー・モーターボート・ジェットスキーやヨットなどの購入や船舶免許取得費用 |
自転車 | 自転車購入費用 |
借り換え | 金融機関やクレジットなどのマイカーローンの借り換え |
自動車とはほぼ無関係のマリンスポーツというレジャーの部分に使う資金まで低金利で借りることができるのも、実は大きな特徴です。
繰り上げ返済手数料が無料
ろうきんマイカーローンは繰り上げ返済手数料が無料です。
インターネットバンキングでも窓口でも手数料無料で返済することができます。
お金に余裕がある時にコツコツ返済することができるので、完済までの時間を少しずつ早めることが可能です。
契約には来店が必要
ろうきんマイカーローンは契約手続に来店が必要になります。
マイカーローンだけでなく、ろうきんのほとんど全ての商品は来店しなければ手続きをすることができません。
契約者に関しては職員の前で自署捺印を行うという昔からの契約の基本を今も忠実に踏襲しているため、借入前には必ず一度はろうきんを訪問する必要があります。
ろうきんマイカーローンは非対面契約やWEB完結契約はできません。
ろうきんマイカーローンの申し込みから融資までの流れ
ろうきんマイカーローンの申し込みから融資までの流れは以下のようになります。
1. インターネットで仮申込
2. 審査通過後にろうきん窓口へ来店
3. 契約書に記入
4. 融資実行後に支払先へ振込
前述したように、契約時には必ず1回は窓口に行く必要があります。
必要書類もWEBからのアップロードなどをすることはできないので、窓口へ持参しましょう。
ろうきんマイカーローンの必要書類
ろうきんマイカーローンは契約時に必要な書類が他のローンよりも多いという点に注意が必要です。
マイカーローンで必要になる書類は以下の通りです。
本人確認書類
収入証明書
勤続年数確認書類(健康保険証や在籍証明書など)
資金使途証明書類(見積書、契約書など)
一般的なマイカーローンは勤続年数の確認までは書類で行いませんが、ろうきんマイカーローンでは勤続年数まで書類から確認するという点に注意しましょう。
絶対に申込フォームには正しい勤続年数を入力するようにしてください。
申し込みから融資実行までは最短で2週間程度
ろうきんマイカーローンは、申込から融資まで最短で2週間程度です。
仮審査の結果が出るのに1日〜3日程度かかり、来店して本申込をするのに1日から2日程度、本審査が終了するのに3日から5日程度かかるので、早くても2週間程度はかかるものと考えておいた方がよいでしょう。
急いで資金が必要な方は書類提出前でも申し込むことができる仮申込だけ先に済まれておいた方がよいでしょう。
ろうきんマイカーローンの審査
ろうきんマイカーローンの審査は厳しいと言えます。
ただし、団体会員の構成員であれば審査が優遇される傾向がありますし、ろうきん独自に審査で重視しているポイントもあります。
ろうきんマイカーローンの審査について詳しく解説していきます。
保証会社の審査は厳しい
ろうきんマイカーローンの仮審査は保証会社である日本労働者信用基金協会が行います。
この団体は全国のろうきんが出資して作られている団体です。
一般的に金融機関系の保証会社は信販会社や消費者金融の保証審査よりも厳しい傾向があります。
そのため、ろうきんマイカーローンの審査を行う日本労働者信用基金協会も比較的厳しい審査を行うことが予想されます。
ろうきんマイカーローンの審査は信販会社が保証する銀行マイカーローンよりも厳しいと考えた方がよいでしょう。
団体会員の構成員は審査で優遇される
団体会員の構成員は審査で優遇される傾向があります。
団体会員の構成員のための互助組織であるろうきんは構成員に対して融資によって資金を融通するのが存在意義だからです。
また、団体会員の構成員とは、公務員や上場企業の会社員ですので、そもそも審査には有利な属性です。
そのため、ブラックや多重債務でもない限りは団体会員の構成員は審査で有利になります。
信用情報に傷や問題がないこと
他のマイカーローンと同じように信用情報に問題がないことは、審査の大前提になります。
具体的には以下の情報がないことが条件になります。
債務整理などの金融事故情報
2件以上のカードローンなどの使い道自由な借入
クレジットカードやローンの返済の遅れ
これらの情報がない人は、信用情報が問題になって審査に落ちるということはありません。
ろうきんマイカーローンは勤続年数が重視される
ろうきんマイカーローンは他のローンよりも審査で勤続年数が重視されます。
ろうきんマイカーローンは、勤続年数確認資料の提出が必要になりますが、勤続年数確認資料を要求するローンはろうきんの他にはないからです。
審査では重要な情報ほど裏付けを取るための資料の提出を要求されます。
そのため、ろうきんマイカーローンは他の金融機関のマイカーローンよりも勤続年数を重視していることになります。
勤続年数は長ければ長いほど審査で有利になるでしょう。
借入金額は年収の半分程度が限度
借入金額は年収の半分程度が限度です。
一般的に自動車ローンの借入額の目安は年収の半分程度までが適正と言われていますので、年収の半分を超える金額の審査に通過することは難しいでしょう。
ろうきんマイカーローンと他行のローンの比較
ろうきんマイカーローンを他の金融機関のマイカーローンと比較してみましょう。
他行との金利比較
銀行 | 中央ろうきん | イオン銀行 | 住信SBIネット銀行 | JA |
金利 | 2.4%~3.9% | 3.8〜8.8% | 1.775〜3.975% | 1.79〜3.14% (農協によって異なる) |
ろうきんマイカーローンは金利面では他の金融機関のマイカーローンと比較して中間程度と言うことができます。
住信SBIネット銀行やJAと比較すれば金利は高いですが、イオン銀行と比べれば低いと言えるでしょう。
団体会員構成員であればメリットあり
下限金利である2.4%であればろうきんマイカーローンは他行との比較でも低い部類に入る商品です。
ただし、2.4%の金利でろうきんから借りることができるのは団体会員の構成員だけですので、公務員や労働組合会員の構成員の人にはメリットがあるでしょう。
また、ろうきんマイカーローンは借入時には手数料もかからないのもメリットです。
未成年はろうきん一択
未成年で自動車購入資金を借りたいという人は、ろうきん一択と言えるでしょう。
未成年は基本的に自分名義で銀行などの金融機関からお金を借りることはできません。
信販会社のクレジットであれば未成年で借りることができる商品もありますが、金利はろうきんよりもかなり高くなります。
ろうきんマイカーローンであれば18歳から自分名義で借りることができ、信販会社よりも低い金利で借りることができます。
未成年の正社員でマイカーローンを低い金利で借りたいという人はろうきんへ申し込むのがベストの選択です。
未成年の人はまだどこからも借り入れがなく、個人信用情報も傷がついていないケースも多いので、正社員であれば審査に通過できる可能性は決して低くはありません。