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あなたの車のお値段は?
現代社会に住む方なら、自動車に乗った事がない、という事はほぼ皆無だと思います。それくらい、暮らしの中に自動車は浸透しているわけですが、その中でも毎年大体500万台ぐらいの車が、新規登録と抹消登録を繰り返しているそうです。
平たく言えば、1年で500万台の車が入れ替わっているという事ですが、その際には必ず持ち主から、車の買取業者へと、金銭による車の譲渡が行われています。車の買取業者は、買取った車の状態を見て、十分にまだ使用出来る様なら、再び販売したり、もう乗用に使うのは難しいと判断したら、必要な分だけ解体して処理したりするのです。
こうした車の買取業者は、個人から車を買取る場合もありますし、中古車販売を行っている業者からまとまった台数を引き受ける事もあります。そうした売買の流通が一定量あるので、自然と相場というものが出来上がります。
大きくいえば自家用車などの普通車と、バイクなどの二輪車、バス、トラックなどの大型車では当然買取価格は違うわけですが、同じ自家用車でも、例えばメーカーや発売年によっても価格は違いますし、更には同じ1台の自動車を持ち込んで査定してもらっても、お店によって買取価格が違う事だってあります。どうせ買取ってもらうのなら、より条件の良い方の買取にお願いしたいのは当然の事ですが、実際に好条件の買取になるようにするには、ちょっとした気遣いと、車の買取相場について知っておくと、良い買取価格を作る事が出来るようになります。
愛車を手放す時の手続きについて
車を手放すという事は、車の持ち主が変わるという事ですから、売買をするもの同士でお互いにきちんと各種証明書を用意して取り交わす事が重要になります。ただし、そういった自動車売買をする業者ならともかく、個人で車を所有している場合には、なかなか手続きが煩雑で分り難いので、ほとんどの処理を業者側で行ってくれると思います。
一方で、必ずやっておかなければならないのが、自動車税の納付です。これは毎年4月1日の時点での車の持ち主に請求される税金なのですが、この自動車税の納付証明書が無いと、基本的に自動車の持ち主の変更ができないからです。たとえ売買契約上は買取業者へ車を引き渡しても、持ち主の名義変更を行わなければ、その後ずっと自動車税の請求はあなたに届きますので、税金の滞納は是非とも回避しておきましょう。
その他に、気をつけておきたい手続きとして、車検とローンの支払いがあります。
車検は、済ませておいたほうが当然車の買取価格の査定にプラスとなりますが、一方で車検自体に数万円から十数万円掛かる可能性があります。ところが、車検にそれだけ掛けても、買取価格にそのまま反映される訳ではありません。手放す時期を考慮して車検を済ませてしまうか、そのまま買取ってもらうかを選択する必要があります。
また、ローンの支払いですが、これは基本的にゼロであるべきものです。ローンの残債があるうちは、その車は、完全にあなたのものになっていないからです。ですが、実際の売買では、買取業者がローンの残債を一括で支払って、車の買取価格との差額を渡してくれる所もあります。
買取査定額に幅がありませんか?
直接車を見ずに、ある程度の情報だけで車の買取価格を査定してくれるサービスがあります。インターネット上でしたら、そうした買取価格査定サイトがありますし、買取業者によっては、FAXや電話で車種や年式を伝えると、見積もってくれる所もあります。そうしたサービスを二、三件利用してもらえば分ると思いますが、ある買取業者は割とかっちり○○万円と価格を提示するのに対し、別の業者は、××万円から△△万円ぐらいですね、と幅を持たせた価格を言ってくる場合があります。その場合、どの業者を信用したら良いのでしょうか。
まず、買取価格に幅を持たせている業者同士の比較ですが、これは買取価格自体の金額よりも、価格の幅の少ない業者の方がお勧めです。これは、その車本来の相場を十分に分っている上で、使用状態による多少の査定額の上下を押さえている為です。逆に買取価格の幅を数十万円も設定するような業者は、そもそもその車についてはあまり取り扱いが得意ではない、と暴露しているようなものですから、よほど好条件でもない限り買取先候補としての順位はかなり低くなります。
また、買取価格をかっちりと殆ど幅を持たせずに提示してくる場合は、何らかの理由があってあなたのその車がどうしても欲しいか、あるいは車の状態が十分に分っているとみてよいでしょう。前者なら周りと比べても高いほうの価格を付けている筈です。後者の場合、特に明らかに年季の入ったタイプの車であるなら、処分価格ともとれますので、逆に最安値の目安になります。
下取りと買取
新しい車を購入した時に、元の車を使い続けるつもりでもない限り、古い方の車を処分する事になると思います。基本的に事故などでスクラップにでもしない限り、相応の値段で所定の業者が引き取ってくれますが、その際に選択肢が二つあります。下取りに出すか、買取にするかという事です。どちらも元の車を査定してもらって、売却する点では同じですが、何を焦点にしているのかによってどちらを選択するかが決っていきます。
下取りを選んだ場合は、新しい車を購入した販売店に元の車を引き取ってもらう事になります。下取りの最大の利点は、車の利用において間が空かないように調整がし易いという所です。新しい車を納車してもらう業者と、元の車を引き取ってもらう業者が同じですから、当たり前と言えば当たり前ですが、お仕事や生活の便の都合上、車を使えない日があると困る方には下取りの方が良い場合があります。
買取を選んだ場合には、基本的に中古車の買取専門業者に持ち込み、あるいは引き取りに来て貰う形になります。当然、下取りの様に車を使えない日を作りたくない場合には、新しい車の販売業者と、古い車の販売業者と両方に交渉して日程を調整しなくてはなりませんが、買取の最大の利点はとにかくあなたの一番有利な条件で車を引き取ってもらえる業者を選べる点です。分り易く言えば、古い方の車を一番高く買取ってくれる所に売る事が出来るという事です。もちろん、買取業者次第では、買取価格以外の部分で他の所とは差を付けている業者もありますので、どんな売り方をするかはあなた次第です。
車を売るときに必要な書類
ほとんどの場合、車を売りたいと言って買取業者に持ち込むと、車を売る、つまり名義を書き換える手続きは業者が請け負いますので、売り主は最低限の書類を準備するだけで済みます。ですから、割合にどなたでも気軽に車を売るという事が出来ますが、実際にきちんと手続きするにあたっては、書類が揃っていないとスムーズに話が進みませんから、どんな書類、あるいは証明書等が必要なのか知っておいて損はありません。
車を売る際に必要となるものは、自動車検査証(車検証)、自賠責保険証明書、自動車税納付証明書、譲渡証明書(譲渡証)、に加えて印鑑証明書と実印が最低限必要になります。さらに廃車にする目的で売り渡す場合は、ナンバープレート(前後2枚)、抹消登録申請書と解体に係る移動報告番号、解体報告記録日の情報も控えておかなくてはいけません。また、2007(平成14)年以降に発売された比較的新しい車の場合は、新車として販売された時点で車のリサイクル券が一緒についているはずですので、目的に拠らず譲渡の場合はこのリサイクル券も一緒に譲り渡す事になります。
そして、それぞれの手続きを自分自身ではなく、売り渡す業者に委任するのであれば、実印を押した委任状も発行する必要があります。
どの証明書類も、基本的に間違いなく手続きや税金の納付をしていれば問題なく揃っている筈ですが、万が一不備があると期日はもちろん、費用が掛かってしまう事があります。ですから、運転免許を持っているドライバーとして義務を普段からしっかり果たすようにしておきましょう。
中古車買取手続きの費用
基本的に車の買取をする場合には、買取業者に全て任せてしまった方が費用の面でも、手間の面でも安上がりです。その為に売買契約と同時に委任状なども作成する訳ですが、買取業者の示す査定額の細かい内訳を知りたいという方や、個人的な譲渡の場合の手続き費用がどの程度なのか把握しておきたいという方の為に、中古車買取手続き(正確には登録名義変更の手続き)の費用を示しておきます。
まずは車庫証明費用で、都道府県によって多少の差がありますが、2500円から2800円。移転登録手数料が500円、ナンバープレート代として大体1500円、そしてそれぞれの申請登録用紙に数百円程度が最低限必要な費用になります。これに加えて、自動車リサイクルの制度が設定された2007(平成14)年以降の車の場合、自動車リサイクル券も車とセットになっていますので、売買価格に含まれている場合があります。
なお、車の価格や状態によっては、自動車取得税と自動車重量税を支払う必要があります。前者は車の残価(売買する時点での価値)の最大7%未満、後者は車の分類(主に車体重量による分け方)によって5400円から数万円ぐらいが目安となりますが、例えば年式が古くて、なおかつ車検も残っている様な車の場合は全く必要ないなど、その車の状態に左右される費用です。
もう一つ、こうした手続きに使う書類に記載されている住所地が、書類ごとに違う場合、例えば、車検証の住所地と、印鑑証明書の住所地が違うといった時には、車を売りたい人が確かに所定の場所に住んでいるという証明の為に、住民票が必要になることがあります。殆どの自治体で300円程度で発行してくれますが、一応費用として頭に入れておいても良いでしょう。
廃車手続き~一時抹消登録・永久抹消登録~
十分に使い込んで古くなったり、事故や災害などに遭ったお陰で使えなくなった車は、最終的に廃車とするのですが、その際には必ず抹消登録を行わなければなりません。もし抹消登録を行わないでいると、そのナンバープレートを付けている車は普通に使われていると看做されて、自動車税の納付を続けなければなりませんので、余計な出費をしないで済ますためにも、きちんと手続きをしておきましょう。
通常、その車をもう二度と使わない、というのであれば永久抹消登録を行いますが、車を実際に解体してから届出をしても構いませんし、何らかの理由で一時抹消登録を行った後、更に永久抹消登録をする事も出来ます。
なお、この抹消登録を届け出る先は、普通自動車、小型自動車は各地の陸運事務所(陸運局)ですが、軽自動車の場合は軽自動車検査協会となります。特に軽自動車の場合は、手続きの流れ等はほぼ一緒ですが、届けの名称が抹消登録ではなく、返納届けとなっていますのでその点だけ注意が必要です。
ちなみに、一時抹消登録は、車の所有者が長期の旅行や入院などで数ヶ月から数年単位で車を利用しない時に利用するものです。時登録抹消しただけならば、車検を通す事で再び公道を走る事が出来るようになります。この一時抹消登録が車を廃棄する時に用いられる理由は、車が元の所有者から解体業者に渡り、実際に解体が終了するまで数週間掛かる為、その間何もしないでいると普通に車を使っていたとされて自動車税の支払いに含まれてしまうためです。逆に一時抹消登録のタイミング次第によっては、自動車税の月割分が払い戻される事もありますので、車の処分が決った時点でまず一時抹消登録をするのです。