ETCが全国展開されたのは2001年の11月。道路公団民営化を目前にした3年後の2004年には時間帯割引が本格的に導入されました。
民営化にあたってのコスト削減を目的にしたことにより、深夜割引、通勤割引、早朝割引の3つの割引が実地されるように。
今では当たり前のように利用されている料金割引サービスですが、時間帯割引が本格的に導入されたことにより、ETCカードが急速に普及したのです。
他にもどのような助成金のキャンペーンがあったのか、ETCカードの普及とお得な車載器助成キャンペーンがあった話、について紹介します。
ETCカードの普及を目的にしたお得な車載器助成キャンペーンが実施されていたのか?
今でこそETCカードの普及を目的にしたお得な車載器キャンペーンは少なくなりましたが、以前は様々な車載器キャンペーンが実施されていました。
過去の車載器キャンペーンのなかでも、代表的なキャンペーンだったものを確認していきましょう。
東/中/西日本高速道路(NEXCO3社)の時間割引キャンペーン
東/中/西日本高速道路(NEXCO3社)の時間割引キャンペーンは、入口料金所を無線通信(車載器)を使って通行すれば、出口料金所で精算する際に、料金が割引になるキャンペーン。
東/中/西日本高速道路を対象区間として実施されました。
対象は新規ETC車載器を購入・取付・セットアップ、助成申込手続きを行い、2年以上の期間2回以上の支払いでリース契約した方。対象者には割引やポイントが受けられる制度です。
【NEXCO3社 全国路線網の時間帯割引一覧】
割引名 | 深夜割引 | 休日割引 |
対象日 | 毎日 | 休日、1月2日、1月3日 |
対象時間帯 | 0時〜4時 | 終日 |
対象車種(料金車種区分) | 全て | 軽自動車等普通車 |
割引率 | 30% | 地方区間:30%
大都市近郊区間:対象外 |
距離制限 | なし | なし |
入口料金所と出口料金所の通過時刻で割引になるのかならないのかを判断するため、料金所がないところの通過時刻は考慮しません。
インターチェンジに料金所がなくても、本線上に料金所があるケースの場合には、本線料金所を入口料金所または出口料金所として時刻を判定します。
均一制区間など1ヶ所の料金所のみで均一の料金を精算する区間は、その料金所1ヶ所の時刻のみで料金が割引になるのかを判断します。
キャンペーンの背景は渋滞解消とETC普及
車載器割引キャンペーンの中でも代表的なキャンペーンが、上記の東/中/西日本高速道路(NEXCO3社)の時間割引。
ETC普及のために導入された車載器助成キャンペーンは、渋滞解消とETC普及を背景とした時間帯割引の本格的な導入に合わせて実施されていたものです。
2005年1月11日から2014年3月31日までの約3年間という長い期間をかけて実施されたこの時間割引キャンペーンですが、距離制限と回数制限が設けられており、車載器を利用する全ての方が自由に利用できるキャンペーン内容ではありませんでした。
東/中/西日本高速道路(NEXCO3社)の時間割引は、全国路線網において2014年3月31日に全て終了しています。
今考えれば、利用制限や距離制限があるというデメリットがありますが、車載器を使って高速道路を利用する機会の多い方にとってメリットの大きいキャンペーンでした。
当初名称「四輪車ETC車載器リース制度」→のちに新名称「ETCらくらく導入キャンペーン」
車載器キャンペーンが開始された当初に、ETC普及とETC導入の初期費用負担を軽減する目的で実地された導入キャンペーンが「四輪車ETC車載器リース制度」です。
2007年に名称が四輪車ETC車載器リース制度からETCらくらキャンペーンに変更されました。名称は変更されましたが、キャンペーン内容に変更はありません。
ETCらくらく制度は、車載器を購入、セットアップ、取り付けに掛かる費用のうち、5,250円の補助を受けることができます。
また、ETCらくらく導入キャンペーンに参加するためには、ORSEに登録されたキャンペーン取扱店で簡単なアンケートに答えるだけで参加可能。
カード会社が実施しているETC車載器無料キャンペーンなどの場合には、カード入会後に送られてくる必要書類の中にETCらくらく導入キャンペーンのアンケートも同封されています。
同封された書類に必要事項を記入して返送するだけでもキャンペーンに参加できました。
ETC車載器の登録数が爆発的に増加
ETCらくらく導入キャンペーンの実施期間は、2008年4月1日~7月31日まで、対象台数は20万台までとなっていました。
かなり縮小された台数だったので、2008年度一杯で完全終了の可能性があったそうです。
車載器の普及に合わせて、登録台数も急速に増えたことがわかりますね。
なお、四輪車ETC車載器新規導入助成は、平成21年4月28日(火)に累計台数が115万台に達しましたので、助成を終了しています。
キャンペーン名 | ETCらくらく導入キャンペーン |
実施期間 | 2008年4月1日~2008年7月31日 |
参加方法 | ORSEに登録されたキャンペーン取扱店で簡単なアンケートに答えるだけで参加可能 |
キャンペーン内容 | 車載器を購入、セットアップ、取り付けに掛かる費用のうち、5,250円の補助を受けられる |
NEXCO ETC2.0車載器購入助成金キャンペーン!最近、ETCがバージョンアップしたETC2.0NOキャンペーンがあった
ここ数年前までETC2.0の普及を目的にした「NEXCO ETC2.0車載器購入助成金キャンペーン」という助成金キャンペーンが実施されていました。
キャンペーン内容としては、2015年(平成27年)12月18日(金)以降に車載器を購入して、セットアップ、取り付けを行ったETC2.0車載器一台につき10,000円を助成金として受けられます。
ETC車載器の普及を目的にした、NEXCO ETC2.0車載器購入助成金キャンペーンは車載器を新たに付け替える方にとっては嬉しいキャンペーン。
新しい車載器が出るたびに、普及を目的にしたキャンペーンが実施される傾向があります。
助成キャンペーン内容 | NEXCO ETC2.0車載器購入助成金キャンペーン |
助成対象者 | ETCコーポレートカードをご利用の方で、2015(平成 27)年 12 月 18 日(金)以降に、新たにETC2.0車載器を購入し、セットアップ・取付けられた方 |
助成対象期限 | 2017(平成 29)年 3 月 31 日(金) ※対象台数に達した時点で終了となります。 |
助成台数 | 全国 先着45万台 |
助成金額 | 10,000円/台 |
助成方法 | ETCコーポレートカードご利用にあたって、届出いただいている車載器管理番号を元に、「NEXCO E TC2.0車載器助成キャンペーン事務局」(以下「キャンペーン事務局」という。)にて助成対象となる 車両を確認し、2016(平成 28)年 6 月以降を目途に、順次、ETCコーポレートカード契約者様に助成 手続きを書面にてご案内します。 手続き内容をご確認いただき、同封の請求書に必要事項をご記入の上、ご返送ください。 |
ETCカードの普及とお得な車載器助成キャンペーンがあった話のまとめ
ETCカードの普及とお得な車載器助成キャンペーンがあった話を解説してきました。
・ETC車載器キャンペーンは、車載器の普及を目的に実施された
・高速道路に時間帯割引が実施されるようになった背景は、渋滞解消とETC普及の2つ
・東/中/西日本高速道路(NEXCO3社)とは、入口料金所を無線通信(車載器)使って通行すれば、出口料金所で精算する際に、料金が割引になるキャンペーン
・ETCらくらく導入キャンペーンは、車載器を購入、セットアップ、取り付けに掛かる費用のうち5,250円の補助を受けられる制度
・最近では、ETC2.0の普及を目的にした、NEXCO ETC2.0車載器購入助成金キャンペーンが実施されていた。
2001年にETCが全国展開されてからわずか20年。今やETC車載器の普及率は90%を超える数値を記録するようになりました。
車載器が普及した背景には、数々のキャンペーンの実施、時間帯割引の本格的導入を目的にしていたことも。
また、助成金キャンペーンの中には、ORSEに登録されたキャンペーン取扱店で簡単なアンケートに答えるだけで参加可能な助成金制度など、車載器を使う方がキャンペーンに参加しやすい工夫がされていたことがわかります。
これからも普及していくETC車載器の助成金キャンペーンが新たに実施されるのを待ちましょう。