クレジットカードの審査に通らない・落ちてしまった場合に、ETCカードを利用するにはどうしたらよいでしょうか?
ちなみに、デビットカードではETCカードを作れません。
ETCカードは利用した後日にまとめて利用額分請求されるため、口座残高がないと利用できない決済方法のデビットカードは、基本的に利用できない訳です。
クレジットカードを持っていない人がETCカードを作る方法を紹介します。
目次
デビットカードではETCカードを作れない
クレジットカードの審査に通らない方に人気なのがVISAデビットカードなどのデビットカード。
通販などにも使うことがでますが、デビットカードではETCカードを作ることはできません。
(ただし後述する北國銀行VISAデビットは例外的にETCカードを作成することができます)
そのためクレジットカードの審査で落ちてしまい、デビットカードしか持っていない場合には後述するように、次の3つの選択肢と例外1つから選ぶ必要があります。
- ETCパーソナルカードを利用する
- ETCコーポレートカードを利用する
- 審査の緩いクレジットカード会社で審査を受けてみる
- (例外)北國銀行VISAデビットを利用する
デビットカードではETCを作れない理由は決済できないリスク
デビットカードではETCを作れないのは、デビットカードは口座残高がないと利用できないサービスだからです。
口座残高が無い為にゲートが開かないという事が起これば事故にも繋がりかねません。
ETCカードはクレジットカードに付帯されるもの。
料金の引き落としタイミングは各クレジットカード会社が定めた請求日になります。
利用日と請求日が異なりますが、クレジットカードの場合は、利用承認を取ることができるため、利用日と請求日が異なっても利用料金をきちんと請求することが可能です。
しかしデビットカード は口座残高がないと利用できず、利用承認を取らないため、ETCの利用料金を後日請求することができません。つまり請求側に決済できないリスクがあるわけです。
そのためデビットカードやプリペイドカードではデビットカードを作れないというわけです。
クレジットカードなしでETCカードを作りたい人はどうすればいい?
クレジットカードの審査に落ちてしまって、デビットカードしか持っていない状況でも、ETCカードを利用したいという方には次のような方法があります。
ETCパーソナルカードを利用する
ETCパーソナルカードは以下の高速道路6会社が発行しているETCカードです。
- NEXCO東日本
- NEXCO中日本
- NEXCO西日本
- 首都高速道路株式会社
- 阪神高速道路株式会社
- 本州四国連絡高速道路株式会社
ETCパーソナルカードを利用すると年会費がかかり、前払いのデポジットが必要になりますが、クレジットカードなしでもETCカードを作成できるようになります。
ETCパーソナルカードのデポジットの計算方法
ETCパーソナルカードを利用する場合には、デポジットを預け入れる必要があります。デポジット額は月の平均利用額の4倍です。
平均利用月額 | デポジット金額 |
5,000円 | 20,000円 |
10,000円 | 40,000円 |
15,000円 | 60,000円 |
20,000円 | 80,000円 |
デポジット金額は最低でも20,000円からとなっており、月間利用月額によってデポジット金額が変わることがあります。
またデポジット金額の80%以上を利用した場合には、その時点でETCカードを利用することができなくなる点に注意してください。
デポジット金額は解約時には払い戻されるので、十分に余裕を持って預金しておくことをおすすめします。
ETCパーソナルカードの年会費
利用明細書の発行費用やカードの発行費用のために、ETCパーソナルカードの利用者は年会費を1,234円支払う必要があります。
月額で考えれば100円程度なので問題はないでしょう。
ETCコーポレートカードを利用する
ETCコーポレートカードは名前の通り業務用のETCカードです。
クレジットカードがなくても作成できるうえに、個人利用をすることも可能なので、個人でETCコーポレートカードを利用している人もいます。
同じ車を高頻度で利用する方におすすめです。
ETCコーポレートカードのメリット
クレジットカードがなくても利用できる点以外にもいくつかのメリットがあります。
大口・多頻度割引
大口・多頻度といっても平均利用月額が5,000円を越えれば割引の適用内です。さらに月額が高くなれば割引率も上がり、月額30,000円を超えると30%割引になります。そのほかETC2.0の車載カメラ搭載で40%割引です。
平日朝夕割引
平日の6:00〜9:00・17:00〜20:00にETCを利用している場合によって回数に応じた割引を受けることが可能です。(4回以下の利用は対象外です)一般のETCカードの割引では翌月の利用額を減額することで割引になることが多いですが、ETCコーポレートカードだとその月の請求時点で割り引かれるのは嬉しい点です。
ETCコーポレートカードのデメリット
後納料金の支払い保証
ETCコーポレートカードの場合も利用承認を取らない仕組みなので、後で利用額を請求された時にしっかりと支払いを行うという保証のために機関保証を獲得するか、支払い見込み月額の4ヶ月分を保証金として預託する必要があります。ただし、4ヶ月分と言ってもETCパーソナルカードでも条件は同じなので、クレジットカードなしでETCカードを利用したい人にとって避けられないデメリットです。
申し込み時の必要書類が多い
申し込み時には以下の書類が必要になります。
- 申込者の法人登記簿(法人の場合)
- 申込者の印鑑証明
- 保証人の印鑑証明(4ヶ月分の月額を預託しない場合)
- 自動車検査証
- 事業免許証(法人の場合)
- その他必要と認める書類
カードを他の車両で使えない
一般のETCカードは1枚のカードで複数の車両で利用できますが、ETCコーポレートカードの場合は1台に1枚です。レンタカーなどで利用することもできません。そのためいつも同じ車両を利用するとは限らず、複数の車両を使いたい方は手続きや支払いの管理に手間がかかります。
審査の緩いクレジットカードを利用する
クレジットカードの発行の審査の緩い会社を利用して、クレジットカードを作って一般的なETCカードを作るのも方法の1つです。
一般のETCカードには以下のようなメリットがあります。
デポジットが必要ない
クレジットカードに付帯しているETCカードを利用する場合には、利用承認を得て後から請求することができるため、デポジットが必要ありません。
ETCパーソナルカードもETCコーポレートカードも月額利用金額の4倍程度のデポジットを預託する必要があったため、導入月の金銭的な負担は軽くありませんでした。しかし一般のETCカードなら負担なく導入できます。
マイレージが溜まる
NEXCOのETCマイレージを利用すると、50,000円で55,000円分の走行が可能です。還元率は約9%。ただしETCコーポレートカードの大口・多頻度割引で月額約14,000円以上の利用で、ETCコーポレートカードの方がお得です。
クレジットカードのポイントも溜まる
マイレージなどのポイントだけでなく、ETC料金をクレジットカードで支払う度にクレジットカードのポイントもたまります。
このようなメリットがあるので一度はクレジットカードの審査に落ちてしまったという方でも、審査の緩いクレジットカード会社で再度審査を受けてみるのも良いでしょう。
たとえば
◯アメリカン・エキスプレスカード
◯ライフカード
辺りのカードは審査が緩い面もあると言われています。
ETCカード所有のためにクレジットカード審査に申し込むには以下の点に気をつけて申請しましょう。
一度に申し込むのは1枚にして再度申し込む場合は半年あける
半年以内に審査に落ちている場合には、審査に落ちたことが記録され、他のクレジットカードも審査が落ちやすいくなります。
キャッシング枠は0にする
キャッシング枠を付与すると貸し倒れの可能性があるので、審査に通りにくいです。
ショッピング枠は最少額で申請する
ショッピング枠を最少額で申請すると、温情発行してもらえる可能性があります。
虚偽報告をしない
申請情報は長期間残ります。そのため虚偽報告をしてもバレる可能性が高く、バレれば当然発行してもらえません。
他社での借り入れを清算する
現状で他の会社から借り入れをしている状態では、クレジットカードの支払いも滞る可能性が疑われてしまいます。
以上の点に気をつけて申請してみてください。
北國銀行VISAデビットを利用する(例外)
北國銀行が発行しているVISAデビットカードを使えば例外的にETCカードを作ることができます。北國銀行(ほっこく)は石川をはじめとする北陸三県を中心とする地方銀行です。
ただしVISAデビットカードを作成する前に、北國銀行で口座を開設しなくてはなりません。
北陸三県以外にも大阪・東京・名古屋に支店があるほか、インターネットでの口座開設も可能なので、手続きをすること自体は難しくありません。
しかし基本的には北陸三県に住む方を対象としている銀行であるため、北國銀行で口座開設をする正当な理由が必要です。
- 石川県に住む家族の仕送り先に北國銀行口座を利用しているため、利用手数料などを考えて自分も北國銀行に口座を開設したい
- 本社が石川県にある会社に勤めているため、給料の振込先の銀行口座に指定されている
- すでに石川県への引っ越しが決まっているため、予め石川県の地方銀行である北國銀行に口座を開設しておきたい
以上のような理由を口座開設の申請時に説明すれば、口座開設ができることが多いです。
ただし実際にそのような状況ではなかった場合には、調べられて口座開設ができないこともあります。その場合には北國銀行VISAデビットカードを利用する以外の方法を利用しましょう。
なお北國銀行のVISAデビットカードはクラシックカードとゴールドカードが存在し、クラシックカードなら年会費は無料です。
クレジットカード無し デビットカード有りでもETCカードを諦める必要はない
現状、クレジットカードを持っていない人・デビットカードしか持っていない人でも以下の4つの方法があります。
● ETCパーソナルカードを利用する
● ETCコーポレートカードを利用する
● 審査の緩いクレジットカード会社で審査を受けてみる
● 北國銀行VISAデビットを利用する
このうちETCパーソナルなら確実にETCカードを作ることができます。諦めずにETCカードを作成して便利に使いましょう。